1022 by co cayu

祖母と日々過ごすなかで、これまで「お年寄り」として接してきたことを何度となく恥じることとなった。わたくしの目の前にいたのは朧げな世界に生きる「恍惚の人」にはほど遠く、ナイフで栗を剥く手つきひとつをとっても迷いがなく鮮やか、肌を見られることにもはっきりとした抵抗がある誇り高き女性だった。その上会話が出来て風呂もトイレも介助なし、スタスタ歩くのでちょっと超人が過ぎる。

はっきりいって自分は99年間も生きるとは思えない。「あの人、気づいたら遠い土地で死んでたね」と噂されるぐらいの感じが理想で、そろそろかなと思ったら諸々片付けて居なくなりたいと思っている。故郷で死にたくないのと、自分が弱りゆく様を人に見られたくないというのだけは昔から変わらない。だからこそ、それと真逆のいのちの有り様を見せる祖母から目が離せない。すごい人とご縁があったな、と思っている。

bite! by co cayu

朝起きると、首筋におびただしい発疹があった。しかもかゆい。あー蕁麻疹出たか、とポコポコ膨れた肌を撫でてみる。心はいつも前のめりだけど、たまに身体が追いつかなくなって蕁麻疹や逆流性食道炎によってストップがかかることがあるのだ。身体弱弱星人。まぁ、知らず知らずのうちに疲れがたまっていたのかな〜なんて思いながら近くの皮膚科に行ってみると、「うーん、毛虫だね」とあっさり言われてしまった。毛虫!さすが田舎、毛虫がいつのまにか首筋に。まったく気づかなかったな…。

家政婦生活16日目、毛虫の洗礼を受けるなど。今夜は生姜焼きを仕込んでおりましたが先刻兄嫁よりかつおのたたきを頂戴しました。豪勢だのう。

101 by co cayu

「祖母は放っておくと昼ぐらいまで寝ていたりします」

そんな母の置き手紙とは裏腹に、祖母は連日早朝の茶の間に登場した。静かに朝の勤行をしたいわたくしと、腹ペコの祖母。ならば祖母が起きてくる前にと、少しずつ起床時刻を早め勤行を試みるも必ず先回りしてご登場になられる。そうやってわたくしの心を試しておられるのか…今年99才、衆生(家族)に鰻を施す我が家の菩薩、本日も食欲旺盛です。

膝の手術のため入院した母の代打として、実家の家政婦となって早6日。菩薩と木こり(父)と絵描き(わたくし)とで、愉快な生活が始まった。なにひとつ噛み合わないメンバーなので、家政婦役としてはそれぞれの生活リズムを知ることが必須となる。人と暮らすというのは「この時間にこれをやる」と決めている相手の習慣を妨げないことだけでもほぼ穏やかに展開する…気がしてる。勤行をしてお墓の世話をして家事をして買い物をして料理をするだけで一日が終わり、大体23時からが自由時間。ちまちまと隙間を見つけてようやく制作スペースを整えたので、今夜から制作再開します。

余談ですが、カレーの鍋を洗うのが嫌いなのでふかしたじゃがいもを鍋に入れて味を整え、丸めてコロッケにしました。鍋も綺麗になって一石二鳥、なのだけど、コロッケの手間よ。殺す気か!今度からコロッケは買いたいと思います。では10月もよろしくお願いします〜