8月になりましたね。8月は「地獄の釜の蓋があくと言われ、ご先祖様も彼岸から帰ってこられます。諸々の供養を込めて、毎日「地蔵菩薩本願経 囑累人天品第十三」を上げています。
お地蔵さまのありがたさが深く沁み入るお経です。大分の別府市に住んでいたとき、家の裏のお地蔵さまを供養するのに毎朝上げていました。現代訳されているものを見つけましたのでその一部をご紹介します。釈尊が地蔵菩薩に託す部分です。
「地蔵よ。この世の衆生は、志と性質が落ち着かず、悪を習いとする者が多い。たとえ一瞬善心を抱いたとしてもすぐに退いてしまう。もし悪縁に遭えばその思いは増長する。それゆえ私は百千億に分身して教化・済度するのだ。その機根にあわせて済度するのだ。
地蔵よ。私は今、丁寧にそなたに天人衆のことを頼もう。未来の世にもし、天人、善男子・善女人がいて、仏法中に少しでも善根を植えるならば、そなたの道力をもって擁護してほしい。無上の悟りをめざして修行させ、退かせてはならない」
どうしようもない、生きている価値もない、苦しい、許せない、生きていればそう思うことがあるかもしれません。その上、人間は勝手です。地上を荒らし、我が物顔で生態系の頂点であるかのような振る舞いをします。土を殺し、海を汚し、生き物を必要以上に増やしたり減らしたり、自分をも傷つけます。そんな人間であっても、諸神諸仏のお働きが向けられています。
地蔵菩薩さまの決意とお働きを知ることができる、素晴らしいお経です。ありがたい。