許可なく父のビスケットを食べている。カフェオレまで淹れて、計画的な犯行である。ぱくぱく
ビスケットといえば、ちょうど10年前の今頃(!)インドの寝台列車の中で食べたマリービスケットを思い出す。
連日、インドの混沌と喧騒に圧倒されヘトヘトになりながら、犀の角のようにひとり聖地バラナシを目指した。列車は大幅に遅れており、その上何度も停車を繰り返すので、いま自分がインドのどの辺りにいるのか分からなくなっていた。トイレのため席を離れて戻ると、シートには知らない家族が座っている。いつになったらバラナシに着くんだ、そしてあなたがたは自分たちの席に戻ってください…
孤独と不安の車内でマリービスケットを齧り、空腹を凌いだことをよく覚えている。そしてその時からわたしの中でマリービスケットは、不安の味になってしまった。その時に飲んでいたスプライトも同様である。
さて、宮崎市へ移ります。