近況。自転車事故からもうすぐ2ヶ月経つ。腕はかなり可動域が広がったが、右の鎖骨がやたら前方に飛び出したままで、我が身体のデザインがアシンメトリーになった。なんかアーティストぽい。クロスバイクを修理に出したとき、「前に一回転したのかもですね」というような破損の仕方だったもよう。前転なんて人生で長らくしていないが、今回なかなかアクロバティックに転んだのかもしれん。人生初の救急車もまったく記憶にない。
これまで食べ物として認識していなかったきゅうりをパクパク食べるようになり、丑の刻に目覚めるようになり、大好きだったもののことを考えなくなり、事故現場はこわくて通れずにいる。
この先、このまま進むはずだった運命があったとしたら、あの事故のときに思いっきりハンドルを切って、道が変わったのかなと考えたりする。人間はなんでも都合よく考える。愚かで豊か。隣人からの苦情を恐れてひそひそとお経をあげていると、かくれ念仏者だったような気分になる。こういう生活をしていたことも、いつかいい思い出になるな。