animism / by co cayu

なんでも擬人化して会話する癖がある。癖なのかなんなのか。毎日乗るクロスバイクはもちろん、調子の悪い洗濯機、お地蔵さま、植物など会話の相手に事欠かない。妄想劇場と言ってしまえばそれまでなのだけど、小さい頃、母に「コスモスを摘んだら、いたいって言ったよ」と伝えたことがあったらしいので、その時にはもう始まっていたようである。

先日は、数ヶ月に渡ってカニの死骸と交流するうちにシンパシーが生まれ、近くの海に還してあげることになった。カニは村上春樹の作品のなかでは“ねじまき鳥クロニクル”が一番好きなのだと言っていて、海に還した日には「今日はいい日だ、次はエビに生まれ変わりたい」と喜んでいた。まぁこういう会話をする。仏教徒ではあるけど、万物に霊性が宿るということを信じるアニミズムはとても自分の「癖」にはフィットする。有機物無機物問わず、自分以外のものに優しくなれるし。会話する相手が多いことも、退屈しなくていい。自分は孤独に強いと思っていたけど、いつも何かと喋っていたからだなあ。