【新作】黒白二鼠のたとえ / by co cayu

『黒白二鼠のたとえ』

#仏教 #佛説譬喩経

『ある時、旅人が広野を歩いていました。すると突然荒れ狂った大象が現れて、旅人を追いかけ襲ってきました。古井戸を見つけたので、垂れ下がっていた藤蔓を伝って逃げ込むと、その井戸の四方には大蛇が、底には龍が大きな口を開けて待ち構えていました。

⁡上には荒れ狂った大象がいます。下には大蛇、龍がいます。旅人の命は、一本の藤蔓に委ねられました。

⁡すると、藤蔓の根元を白鼠と黒鼠が入れ替わり根元を齧りはじめました。さらには追い討ちをかけるように野火が蔓へ迫ります。

絶対絶命の旅人は、しきりに藤蔓を揺さぶって鼠を追い払おうと試みました。そうすると、藤蔓が揺れる度に、たまたま根元にあった蜂の巣からポトポトと甘い蜜が五滴、口の中にこぼれ落ちてきます。旅人は、その蜜の甘さに象も大蛇も龍も鼠の事も忘れて、 甘い蜜の落ちてくるのを待ち望み、しばし恐怖を忘れていました。

この旅人は、人生という旅をしている私たち

象は時間の流れ、人生のはかなさ

藤蔓は生命、寿命

白鼠と黒鼠は、昼夜

野火は老いと病

五滴の蜂蜜は食欲、睡眠欲、色欲、名誉欲、財産欲の欲望

井戸の中の大蛇と龍は、私たちを待ち構えている死。今最高の快楽に耽ったとしても、それは世俗の喜びで長続きしないものです。』

⁡人間の愚かさを表す釈尊の説話より。

・キャンバスサイズ F4(242×336㎜)

・アクリル画

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