瞑想 / by co cayu

 最近周りで「ヴィパッサナー瞑想」という言葉を耳にする。ものごとをありのままに見るための、インドの最も古い瞑想法のひとつである。

7年前、わたしも京都の山奥で10日間の瞑想プログラムに参加 した。

携帯電話はもちろんのこと、紙もペンも 没収され、10日間の間は「喋ってはいけない」「人と目を合わせてはいけない」「呼吸に集中して瞑想する」「毎日4時起床、21時就寝」「食事は午前中のみ、ベジタリアンメニュー」などの規律のもと、1日12時間ほど瞑想をする。

FullSizeRender.jpg

 初めの数日間は、座りっぱなし のため身体のあちこちが悲鳴を上げた。休憩の鐘のたびに、ヨロヨロと立ち上がり、なんとかトイレに行くような状態だった。そのうち、瞑想中に過去の記憶が溢れ出るようになった。その大体が悲しかったことや悔しかったことだった。

5日目を過ぎた頃、突然自分が光に包まれたかと思うとすべての痛みから解放され、極楽浄土を見たようななんとも言えぬ幸福感を味わった瞬間があった。これが「飛ぶ」ってやつか、と思った。極限を越えた先にある宇宙だった。

私は元々あまり細かい絵を描くタイプではなかった。どちらかといえば大胆で、色塗りも 下手なほうだった。だから大学では石膏像をせっせと作ることにした。

それが気付けばチベット仏教の仏画、曼荼羅などといった超絶技巧の細密画の世界に足を踏み入れている。その仏画や曼荼羅を描いていると、ヴィパッサナー瞑想のときに味わったような「飛ぶ」感覚に陥ることがある。自分とは思えないような長時間の集中も持続できるようになった。集中は練り上げてゆくことができる、と気づいた。すべては自分の心次第。

自分自身を点検する内省の時間は不可欠である。 深い呼吸をしましょう、想像力を使いましょう。世界はきっと、もっと平和で豊かなものになる。 

すーはー 

南無