以前もブログに書いたことがあるが、不定期に生存確認を取り合うスペイン人の友人がいる。今夏、彼が長い旅の終わりとなるパキスタンと中国の国境付近で交通事故に遭った、とポストしているのを見つけた。わたしは「とにかくあなたが生きていてよかった」とだけメッセージを送った。もっと気の利いた英語のフレーズがあるのかもしれないけど、これがすべてだと思った。忘れた頃、「きみは元気?」と反応があったので、いくつかのやりとりをした。
久しぶりだね、わたしは血液のガンになって、入院しているよ!本当に?僕たちはめちゃくちゃだね。僕は頭蓋骨を骨折したし、脳から出血もした。髪もなくなった。大変だったね。わたしたちは今、同じ髪型なんだ。僕たちは、これを笑おう。うん、あなたとわたしが今日も生きていることに感謝する。元気になろう、また旅に出よう。
心は人のために使ってきた。これからもそうでありたいと思う。いま自分がつらいかどうかは正直分からない。身体じゅうの細胞を死滅させるような劇薬を入れることと引き換えに、命を延ばしてもらっている。もう、そうするしかなかった。悲しいとかしんどいとか言い出したらキリがない。一度だけ泣いたがもう泣くことはなくなった。でも遠く離れた友のことを思っては泣く。こうやって、思いは循環しているのかもしれない。だから世界は優しい。