最近調子がいいので、検温にきた実習生に「もう完治しました」「来週退院します」と宣言して「え?!」と絶句されています、言動あばれるちゃんこと小粥です。まぁ、わたしの妄言はさておいて。
「やりたいことが見つからないんです」という相談を受けることがあります。わたしは三千大千世界、天上天下やりたいことしかないので、よかったらわたしのやりたいことをひとつふたつお譲りしたいと思うばかりです。とりあえず、北アルプスの西穂高岳から北穂高岳まで縦走してみるのはどうでしょう。むむ、そういうハードなのはイヤ、そうですか。
やりたいことや好きなことって、最初からドハマりするというより、掘り下げるほどにその愛情が頑丈になっていくものだと思うんです。もちろん運命的な出会いをすることもありますが、何となくやり始めたものが気づけば自分の人生になくてはならないものになっていることって往々にしてあります。だから、いきなり「これだー!好きー!!」っていう温度高めな出会いを求めてしまうと、よっぽどのヒットでない限り自分のアンテナに引っかからなくなってしまいます。
わたしが愛してやまない弘法大師空海についてもそうでして、はじめは歴史のテストのために覚えた「比叡山は天台宗で最澄、高野山は真言宗で空海」ぐらいの認識でした。それが大学生になってたまたま読んだ四国のガイドブックに空海伝説が書かれてあり、「なにこの坊さま…(震)」と反応したのがきっかけ。そこから少しずつ色んな本を読み、空海ゆかりの土地を訪れ、ついには高野山のお寺に住み込んだり四国八十八ヶ所巡礼をするなどますますその愛が金剛界に胎蔵界して両界曼荼羅になったというわけです(なんのこっちゃ)。
まずは誰かに「掘り下げました」って言えるぐらい、なにかを追いかけてみてはどうかなと思います。小さな「なんか気になるなぁ」を見逃さず、フンガフンガ掘ってみてはどうでしょう。夢中になるにも、だいたい、時間と手間がかかりますから。よくよく話を聞くと、やりたいことが見つからないのではなく、飽きるのが早いだけ、なんてこともあります。
最近わたしは病棟の浴室掃除にハマっています。自分の入浴時間を利用して、少しずつ浴室のカビとりに勤しんでいます。日に日に綺麗になっていき、今度は水垢が気になってきたので激おちくんを持ち込もうとしています。最高に楽しいですよ、あなたもどうですか?むむ、こういうのもイヤ、そうですか。