ガン患者たるもの、「大人しく」「よく周りのアドバイスを聞いて」、「真面目に」治療に専念しなさいよ、という空気が少なからずあるなと思う。
率先してそういう空気を発しているのは、実は病気にまったく無知というより、元ガン患者やその家族なことが多い。さっきもそんな人が病室に来て、言いたいことをひとしきり言って帰っていった。きっと励ましのつもりの「わたしの時はこんなにひどかったよ」「○○を続ければ絶対治るからね」という言葉、申し訳ないんだけど何ひとつ心に響かなかった。年齢もガンの種類もステージも治療法も違う上、医学的根拠がないアドバイスなら全面的にノーサンキュー。
ガンになったからって、首を垂れて暗い顔をしながら、すべてを諦めて慎ましく禁欲的な生活をしなければいけないわけではない。これまでと変わらず恋をしていいし、キスもハグもすればいいし(人によって感染症リスクがある場合もあるので担当医に聞いてみてね)。
治療もラストスパートです。この経験を通して本当に色んなことを学んでいて、失ったものより得たものの方が多かったと思います。というか何か失ったものはあったかな。たくさんの人にこの状況を見届けてもらえてわたしはよかったし、この外見的に変わり果てた治療中の姿を、見てもらえてよかったです。
『クールなポーズ決めながら 実を言うと戦ってた』、だなんてかっこいい。これは宇多田ヒカルの歌の歌詞だけど、まさにこんな感じの4ヶ月だった。
娑婆に出たら反撃開始します、よ!