イメージというのは、結局自分で作っている部分が大きいと思う。特にこの時代においてはSNSというツールも味方して、自分という人間の演出をすることが容易くなった。『好きなときに海外へ行き、素敵な仲間たちと美味しいものを食べて遊んで、そんな生活を送りつつ月に150万稼いでます詳しくはLINEください』みたいなアカウントはさておいても、世界に向け、また友人たちに向け投下した画像や言葉は、その積み重なりの中でやがて確固たる個人のイメージへと変貌する。特にアーティストという立場であれば、その人物像と作品の印象は密接にリンクするということを意識しておかねばならない。
わたしは何を間違えたか、自分自身に「ムニエル」や「ふりかけ」のイメージをまんまと定着させてしまった。持ち前の好奇心を追求し続けた結果、気づいたらこうなっていたのだ。いまやDMを開けば「このふりかけ食べたことありますか」というふりかけへの質問や「うちの晩御飯はムニエルでした」というムニエル報告が目立つ。面会では必ずムニエルの話題になる。「次のムニエルはいつ?」と聞かれるため、その質問に備えてこちらも次のムニエルの日を必ず確認するようになった。ちなみに来週の水曜日です。
ファンタオレンジ色の抗ガン剤を注入しながら、ムニエルとふりかけのイメージを持つ謎の絵描きにコーチングされる実習生が不憫になってきた。昨日も「患者さんへのアプローチは自分軸で考えた提案より、患者さんのニーズに合わせて必要なものをピックアップして提案すべきである」とわたしにフィードバックされていた。すまんの。とはいえなんだかんだで仲良くなってきました。今日も治療頑張ります。