1005 / by co cayu

何気ない会話の中で、わたしの左肺付近にある腫瘍ははじめ13センチほどもあった、ということを昨日知った。直近のレントゲンで見る限り、今はそれが4分の1程度になっているということも。胸元に定規を当ててみる。13センチ。かなり大きかったな、という思いと、まだまだ消滅には至らないか、という思いが混ざる。それでも、抗ガン剤治療によって何度も死滅に至った細胞たちが、生まれ変わってまたこの身体を支えてくれるおかげで今日も息をしている。

眉毛も睫毛もほとんど抜けて、次第に地蔵菩薩のような見た目になってきた。右手に押す点滴台はさながら錫杖、とひとりで笑ってみる。救世、救世。この世は天国ですか、地獄ですか。

治療は続く。ずんずん。今日も牛乳を買いに行く。