SOBO / by co cayu

祖母(97才・乙女座)に会った。わたしの頭を見るなり、「なぜボヒキンカンにしたのか」と言う。ぼ、ボヒキンカン…。祖母は方言が強烈すぎてたまに通訳が必要である。どうやらスキンヘッドのことらしい。

こちらの病気の報告もそこそこに、祖母が眉根を寄せて「先日、男が侵入してうちの冷蔵庫から卵を盗もうもしたが、卵がなかったので諦めて昼寝をして帰ったようだ」と言い出した。なんじゃそりゃ。母を一瞥すると、黙って首を振っている。ああ、祖母の妄想か…

妄想と現実の狭間で生きる祖母。彼女の妄想の世界ではうちの父は度々入院させられているので、父を見かけると「あれ?!退院してる!」などと驚いている。次にわたしに会うときにはすべて忘れて、きっとまたこう言うだろう。「なぜボヒキンカンにした?」