病棟で同じ部屋だった患者さん、2人の訃報を聞いた。とても優しくしてくれた人たちで、まだ4、50代に見えた。
わたしのブログをいつも読んでくれて、その都度感想を言いにきてくれた。毎朝、食堂で日の出を眺めるのが日課だったわたしに、ホットココアやラテを持ってきてくれた。そしてよく絵を褒めてくれた。看護師たちに「この子のInstagramすごく面白いんだよ」と広めてくれた。たまに自分のことを話してくれて、飾らず驕らず、なんて潔くて美しい生き様なんだろうと思った。
彼女たちは病棟の看護師や先生、医療スタッフとも仲が良くて、入院が長いことが伺えた。それぞれ、退院の目処は立っていないとも言っていた。採血し過ぎて血管がボロボロだからもう刺すとこがないわ、とも言っていた。12月、わたしのほうが先に退院して、それからは会っていない。
癌と死の距離はそう遠くない。抗ガン剤が効くことも、効かないこともある。移植を受ければすべて丸く収まるわけでもない。進行の早い癌もある。再発もある。だから自分が血液癌の告知を受けたときは、わたしも一度早々に諦めた。そういう病気だ。分かってはいたけど、言葉がない。
死が絶望だとすれば、私達はみな絶望に向かってこの命を足掻いてるということになる。そうではなくて、死とは迷いと苦しみの世界から救い上げられたということだと思いたい。ご冥福をお祈りします。