家の近所で忘れ去られたお地蔵さまを見つけておよそ半年。帽子とよだれ掛けをこさえ、花を絶やさず、毎日のお水を替えにと、せっせとお世話をしておりました。
今朝もそんなふうに祠を小さな箒で掃いておりましたら、何やら背後に気配を感じます。恐る恐る振り返りますとそこにはなんと、2体の大きなお地蔵さま…じゃなくてニコニコした老夫婦が立っていたのです。思わず「わわ」と狼狽えるわたしに、そのお2人は「いいですか?」とおっしゃるではありませんか。ははぁ、このお地蔵さまに手を合わせに来てくださったのだな。この老夫婦、なんだか小慣れた様子だし、がまぐちからおもむろに小銭を探って…も、もしかしてたまにお地蔵さまの肩やお腹に1円玉を乗せるのはあなた方ですか?普通にやめて欲しいんですけど(笑)。喉まで出かけましたが、お地蔵さまもお詣りしてもらって嬉しそうだし1円玉にまみれようとも本人はあんまり気にしてないのかもな…とそそくさとその場を後にしました。
お詣りしてくださる人が出来たんだ、と思うとわたくしも嬉しくなります。猫も水を飲みに来るし、たまに水を替えてくださる人もいるようだし。長年忘れ去られて、埃かぶって寝ちゃってたお地蔵さまだったけど、もうわたしがいなくなっても大丈夫だなぁ。
お地蔵さま、これからも地域のみんなに愛されてください。もうすぐクリスマス、今度はお地蔵さま用に赤い座布団をこさえています。合掌。