季節のご挨拶 / by co cayu

 医食同源ならぬ 無職同然の絵描きであるわたしに、6年ほど前から交際を申し込んでくれる人がいる。それも半年に一度、季節のご挨拶かのようにやってくるのである。

 

 この時点でも色々ツッコミはあるだろう、なんなら当事者であるわたしにもある。まず6年間あれば、小学校に入学して卒業できる。それに、6年も脈がなければ大抵の人は諦めるはずである。

もちろんずっとわたしを一途に想っているわけではないだろう、彼なりに誰かに恋をして、破れて、ふとわたしのことを思い出しているに違いない。そして「やあやあ元気?付き合おうよ」とやってくる。改めて想像すると、なんというかちょっとムカつきさえする。

 

昨晩、その半年に一度の連絡が来た。相変わらず一方的にこちらを褒めちぎる内容。そこでふと、「このメールを送っているのはAIではなかろうか」と脳裏によぎった。

AI、つまり人工知能が誰かのなんらかの陰謀によって、わたしに半年に一度のペースで求愛のメールを送り続けている。そしてわたしの反応をどういう形でか分析している。そして最終的にそれを論文にするつもりなのだろう。

 

 

  

なわけあるか。結局、「現在は絵描きなので絵をオーダーしてくれたら考える」と返すと、音信が途絶えた。

ううむ、やはりAIの可能性がある。 

 

 

なむ