野生の子 / by co cayu

病院にお見舞いに来てくれた友人と、うちの家族が鉢合わせることがある。そうなると話の流れから、わたしの幼少期のエピソードが語られることになるのだけど、大体みんなに爆笑されてしまう。まぁ少しだけ、独特な子どもだったのだと思う。

4人兄弟の末っ子として田舎で育った。4人目ともなると両親からはほぼノーマークなため、ほとんど叱られた記憶がない。2歳頃の写真は極めて全裸が多く、一切の服を拒絶していたようである。それに加え、犬小屋に籠城したり、自力で車のドアを開け額から落下し負傷したり、水たまりを見つけては泥水で髪を洗うなど、完全なる野生であった。

兄弟はそんなわたしを特別扱いすることもなく、かといって不可触民のように扱うこともなく、特に何も思っていないようだった。4人もいれば遊びに困ることもない。ただ、ゴレンジャーごっこになるとどうしても1人足りないので、数合わせにコロ(犬)をメンバーに迎えたりしていた。無理矢理砂場に引っ張られる悲しき老犬の姿が、写真に残っている。

もう水たまりで髪を洗うこともないだろう、それが大人になるということなのだ。

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